私は、お母さんヤギと一緒に森へ入った。

森の中はもう少し暗いかと思っていたのだけど、程よく木漏れ日が入ってきて、明るさはあった。

そして、あるのは明るさだけではなく、私の気を引くものが、満ち溢れていた。

例えば、虹色に輝く羽根を持つ蝶々。
あるいは、ハープを奏でる小鳥…。

そして…。

「なんて…いい香り…。」

私は道端のピンク色の大きな花の香りに引き寄せられていた。