「はい。」

隣にいた子ヤギは、台所に隠れていたのか、包丁を2本持っていて、そのうちの1本を渡してきた。

「どうも…。」

私は、それを受け取り狼を睨んだ。

「ウッ〜〜〜〜…」

しばらく私達を睨みながら唸っていた狼だが、

「畜生…痛ぇ〜な…。」

と、足を摩りながら家を出て行き、森の中へ消えて行った。