「おやすみ。」

と、姉は、アリスの部屋を出た後、ドアを閉めた状態でその場に立ち、アリスの部屋を見た。

そして、本当に小さな声で囁くのだった。

「アリス…。あなたはヤギ達と逢っているのよ…。さっきみたいな優しい瞳で、将来あなたの子供にも話してあげなさい…。これを見せながらね。」

と。

姉の視線の先には、自分のスカートのポケット取り出した、アリスのドレスのポケットにあったハンカチと少し欠けたキノコがあった。