「じゃ、自分こっちなんで」

「あ、うん!じゃあねっ!」

「失礼しますっ!」

ちょうど二年生の階に着いた時、
彼は丁寧に会釈をして教室へと行った。

彼が居なくなった瞬間、
あたしのテンションは
さらに上がる。

そしてキツイ階段も
頑張って駆け上がる。


いやぁ〜朝からほっぺたむにむにとは、
何ということだろう。
まるで夢だよ夢。

ちょっと幸せすぎるんじゃないだろうか、あたし。

普段男子との絡みがないあたしにとって
海瀬君からのほっぺたむにむには
とてつもない大事件だ。

ニヤけが止まらぬ顔のまま
ルンルンな気分で教室へと入る。