扉が開く音に私とギャル男は一斉に音のした方を見る。
「あっ」
「あれ?白多くん?どーしたの?」
すっかり猫かぶりに戻った高岡くんに飽きれながら、
私も「どうしたの?」と声をかける。
一瞬怪訝そうな顔をした白多くんは
スタスタと近づいてくると高岡くんの腕をガッと掴み、
「なにしてんの・・・?」と吐いた。
「え、密会?」
おい。ふざけてるだろ。
その一言が余計気に障ったらしく、
パッと高岡くんの腕を離すと、
「あぁそう。僕ちょっと後岡の様子見に来ただけだから。元気そうでよかったよ。んじゃ僕はお邪魔みたいだから、教室戻るね。」
早口で一気に喋り終えた白多くんは
そのまま保健室を出て行った。