「恋バナ部ってさ、」

あたしは呟いた。

「何ー蜜柑?」

桃実は興味深深にこちらを見つめ、怜雨は普通の顔をしてあたしを見た。
桃実が沈黙に耐えられなくなって、怜雨が買ってきた飲み物を開けた。


プシュっ


爽快な音が鳴り、わぁと驚く桃実。
あたしはその音を合図ととり、
自分の心境を語り始めた。



「あのさ、恋バナ部ってさ?」



あたしは少し上目遣いで話した。
怜雨は椅子に腰掛け、桃実は頬杖をついた。


「うん?」


桃実は柔らかい声を出して、あたしを見る。
あたしはほやほやとした部屋を冷ますかのように
透き通った声で、泣きすするように




話し始めた。