スターレディ物語

案の定、素はソファーの上で寝転がっていた。


「素、起きて」


わたしがペチペチと頬を叩くと、素がボンヤリ目を開けた。


「はれちゃ……」


途端に、勢いよく体を起こすので、わたしは咄嗟に下がった。


「ひょっとして!」


わたしは苦笑した。


「間に合わないから、別便で行くよ」


素は、深く息を吐く。


「今日はラジオだよね~。ちょっとまってて」


素はクローゼットの中からジャケットにワイシャツとネクタイ、ショートパンツに帽子、ニーハイ等と下着を取り出し、脱衣場で手早く着替えた。


「お待たせ。行こう」


「近くにリムジンバスがあるから、そこから空港に。飛行機は予約とったから」


そんな時、グゥッと素直のお腹が鳴った。