スターレディ物語

夜。


AQUASはライブを終えて、打ち上げに参加していた。


ベース担当の素は、オレンジジュースをチビチビ飲みながら、ツマミを食べていた。


気を効かせた関係者の一人が、素のカクテルが無くなる事に気付き、ツマミの追加と一緒に、置いた。


素は明日、うどん発祥の県でラジオの生番組がある。


仕事の関係で、朝一番で移動の為に、今日はアルコール禁止なのだ。


素がオレンジジュースではない事に気付かず、ぐびぐびと飲むと、いつもより甘い事に気付く。


素は気にしないで、フライドチキンを食べた。


「素……って、それ、アルコール!」


華は素と幼なじみであり、親友でもある。誰より、素を側で見てきた。


故に、体質までよく知っている。


「華?すー、唐揚げおむすびとね、プリン食べたい~」


ニコニコと笑う素に、華は苦笑した。


すぐに空が唐揚げおむすびとプリンを、素の前に置いた。


「空、ありがとぉ」


ニッコリと笑う姿に、何も知らない男性スタッフはドキリとしていた。


あまり笑わない素。


笑わなくても整っている容姿だが、笑うと破壊的に可愛らしく美しい。