「ビオラ!」
その声に見ると、ジュリアさんの背後でビオラさんが翼をざわめかせていた。そして、まだジュリアさんが張り付いているというのに、ゼウス目掛けて数十本もの弓のような羽を飛ばした。
「!?」
羽はゼウスの身体を掠め、突き刺さったが、それはジュリアさんにとっても同じだった。
「くっ…」
背中に羽が刺さって痛みに呻くジュリアさんだが、決してゼウスから離れようとしなかった。ジュリアさん達は相討ちになっても、世界を救おうとしている。