『〜♪〜♪〜♪』



『うっ…ん?誰よ…。もしも〜し。』



『おっはよ〜!香取慎吾で~す!おい!寝坊すけ!』



ドキンッ…



この声…



胸がざわめく。



一気に昨夜の事が頭を駆け巡った。




『はぁっ…!翔?ごめん。爆睡してたぁ…今何時?』



『今ね、11時過ぎたとこ!早く起きて用意しろよ!』



『うん…待ち合わせ場所はどこ?』



『森山公園前にある電話ボックスの中で待ってる。12時半までに来いよ!』



『ラジャッ!…ってなんかいばってなぁ〜い?』




『いつまでも寝てる人に言われたくありません!じゃーな!』




電話を切り、天井を見つめドキドキが止まらない。



やばっ、用意しなきゃ!



何着よう…どうしよう…


お化粧しなきゃ…



なんとか間に合いそうかな。




『天愛、ご飯食べなさ〜い!』



『うん』



なかなか喉とおらないや…




『あんた、どこか出掛けるの?今日夕方から仕事でしょ?』



ご飯を流しこむ。



『あきと買い物してから、そのまま仕事行くよ。ごちそうさま!』




なんとかごまかせたかな。



『ねぇ。昨日の電話の人知り合いだったの?誰?遅くまで話してたよね?』



うっ…どうしよ…。




『とっ、友達が勝手に電話番号教えたみたいで…何にもないよ。行ってくるね』



バタン。




車に乗り込み、深呼吸をする。