『もしもし?』



『あっ…あの初めまして。俺…翔っていいます。あの…結婚してください!』



『はぁ〜?っていうか何?イタ電なら切りますよ!』



『あっ、ごめんなさい。切らないで。あの…高校の卒業アルバム見て、一目惚れしました。アルバムに電話番号あったから、話してみたくて…ダメ?』


そういえば、うちの高校は電話番号まで載せてるのよね…


(もしかして…豊の仕業?探り入れて、私を引っ掛けようと誰か使ってるのかも!)



『話ぐらいなら、いいけど』


『よかった。あの…彼氏いるの?』



『彼氏いるよ。もぅ2年になる』


(引っ掛かるもんか〜豊のバーカ!)



『そっか…別れないの?彼氏は誰か教えて?』



『いいけど…きっと知らないと思うけど?』



『知らなくてもいい。なんとなく聞きたいだけ』




『わかった。えっとね、仲山町の澤田豊って人だけど』



『えっ?…豊先輩?西川高校卒の?マジで?』



『そうだけど…知ってるの?!』



『うん…友達の友達でたまに遊んでる…』



(やっぱり…豊の仕業??)



『関係ねぇ。俺あきらめないから、絶対!俺と付き合ってください!』



『ちょっと…私の名前知らないくせに?天愛(てんあ)じゃないよ?(笑)』




『はぃ…ごめんなさい。天愛(ティナ)さんでした。さっき、お母さんから教えてもらったもんね』




『そっか。じゃ、自己紹介して?』



『おう!浅野翔、北工業高校3年。よろしくね』