「だから、うるさいから」 二度目のするどいツッコミに怯まずに聞く。 「なんで東京にいるの?って、聞いてるの!ふらっと来れる距離じゃないでしょ?」 あたしとアリマの地元は東京から飛行機に乗る北国だ。 本来いるはずのないここに、彼がいる事実がまだ信じられない。 「つーか、終電逃したわ」 脈絡のない返事にイラッとするのと同時に、悲しさが込み上げてきた。