それならそうやって言ってくれればいいのに。 お母さんの分かりにくい優しさに笑みがもれる。 おめでとうメールをひとつひとつ確認しながら、みんなの顔を思い浮かべる。 大学の友達はもちろん、離れてしまった地元の友達の顔もあって、 さらに笑みがこぼれた。 「次は~‥」 アナウンスが降りる駅を呼んだ。 やばっ! ごそごそと荷物をまとめ出すと、 ん? 視界に鮮やかな黄色が目に入った。