「………寝れないー!」 毛布にくるまって跳ねるが、埃が舞っただけだった。 寝るのをあきらめてベッドから転がり落ちると、私はため息をつきながらリビングへ降りて行った。 なんか飲んでもう一回チャレンジしよう。 そう軽いつもりで階段をおり終わり、手探りで電気のスイッチを探し出し出っ張ったほうを押すと 「「あっ」」 私の声と低い声が重なった。 眩しくなった廊下で私は瞬きを繰り返して目を慣れさせる。 慣れてきたところであの黒光りしている長髪がくっきりと輪郭を現した。