いつの間にか寝ていたらしく、目が覚めると夕焼けがさしかかっていた。
時刻はこれまた微妙な4時26分。半端な時間だ。
霞がかった頭は次第に冷静さを取り戻し、ぼやけていた視界はクリアになっていく。
私は掛けられていた真っ黒な布をどけ、上体を起こす。真っ黒な………布を………
「は?黒い毛布なんて持ってないけど」
掛っていた布を持ち上げると、アントニオ猪○レベルの超越した巨人が着そうな真っ黒なコートだというのが判明した。
自分が着るには大きすぎるので、やはりあの同居人のものだろう。
寝ていた自分に掛けてくれたのだろうか。嫌々掛けてくれているあの巨人の姿が目に浮かぶ。

