「あ?399歳」
………はい嘘決定ー。
私はそれを鼻で笑い飛ばした。しゃがみこんでいるべリアルの豊かな黒髪をむしり取る勢いでつかむ。「いでででっ!」と本日二回目の悲鳴を上げた。
「なにすんだ!離せ馬鹿力!」
「うそついてんじゃない。399歳?来年でめでたく400じゃないの。おめでとさん」
「てってめぇ………信じてねぇな!」
「信じれるかっつーの!まだエイプリルフールには早かったね」
「こんなしょうもねぇのにうそつくかボケ!」
私の腕力から逃れ、ふわっとリビングまで退散する。痛そうに私に掴まれた髪をなでている。
「てめぇら人間は短命すぎんだよ。俺ら天使ってのは長命でな。平均900歳は生きる」
淡々と彼は説明したが、到底真実とは思えない。

