「大人の夜を過ごすんだよ」
パリーンとガラス製のコップが割れる音がした。しかし私はそれに反応できず、ただ頬をひきつらせたままべリアルを凝視した。
「………え?」
「聞こえなかったのか?頭だけじゃなく耳までわりぃんだな」
べリアルは不快そうに唇をゆがませる。
不快なのはわたしもだ!
「ちょっと待ってよ私たちそんな関係どころか友達ですらつーかそれ以下なのにそんなことできるかって死んでもしたくないし意味不明だし天使って死ねる?だったら一度しんできて」
「はぁ?なんでそんなにけなされねぇといけねぇんだ」
ぶっすりと彼は髪をかき交ぜた。
「酒だよ酒。なんかビールかその辺ねぇのか?」

