「………んぎゃーー!私の日記帳ーーー!」
焦ってその日記帳を取り上げようとしたが、ひょいっと腕を上げられてしまう。
背の高いべリアルが、腕を大きく掲げたら天井とあまり変わらない。ぴょんぴょんと無駄な努力をしてみるも大海原をコップにくみ取るような虚しさを感じただけだった。
「へぇ………イツキってやつ?」
「かっかえしてっ!」
「だったら風呂いれてきな。それでいったん手を引いてやるよ」
ぐっと喉に言葉を詰まらせながら私は風呂場へダッシュした。
手早くひねり、温かいお湯を浴槽にため、また急いで居間へ戻った。彼はじーと日記帳を覗き込んでいる。顔から火が出そうなほど恥ずかしい………!
「もういいでしょっ!」
「あっ」
隙ができていたべリアルからひったくり、胸に抱えこんだ。羞恥が目に涙を浮かばせる。

