あくまで天使です。




食事が終わり、私は二人分の皿を片づけた。


べリアルは手伝うそぶりすら見せずテレビを見ている。長ったらしい髪をフローリングに流し、ねっ転がってる。蹴ってやろうかと思うほどにくつろいでいた。


しばらく洗いものに専念していると、突然彼が話しかけてきた。


「おいナギサ、風呂」


「………」


私はあんたの妻か何かか!マグマのように煮えたぎる気持ちを私はスポンジへぶつけた。ぶしゅっと泡が飛び散る。ふわふわと呑気に待っているシャボン玉をたたき落とし


「天使って風呂入るの!?」


「たりめぇだろ。今日は特に空を飛んだんだ。汚れて汚れてしかたねぇんだよ」


体勢を崩さぬまま、べリアルは説明した。


「………廊下に出てすぐ左の扉よ!」


「ちげぇちげぇ。場所は知ってんだよ」