しかし問題があった。 彼女は僕の表の仮面に惚れたのであって、本当の僕を好きになったのではない。 優しい成島樹を好きなのであって、意地悪で口が悪い成島樹ではないのだ。 こんな事だったら仮面を破り捨てておけばよかった。 まぁそう言ってもいまさら遅い。 早く告白をしたかったのだが、そんな事情があってなかなかできなかった。 すぐにしなければならない状況に追い詰められたのだが。 あの意味不明の大男のせいで。