「ここにいたか弟よ」 雲の端に座って、下界を眺めていたら真っ白なアリエルが俺の後ろにたった。 顔を向けず、俺はただ人間の世界を見下ろした。 「近頃貴様、評判がいいぞ。積極的に物事を行うようになったとな」 まぁそれが普通なのだがな、と付け加えなくていい言葉を付け加える。 「………このままいけば、貴様に大役を任せれると神は上機嫌だったぞ」 「………大役だと?」 理解していて、俺はあえて訊き返した。