「すまんな。女々しい弟で」 「後でぶっ殺す!」 「………なっなんで、それ、一人用にしたんじゃ」 まだ驚きから戻ってこれない私はつぶやく。 悲しくないのに涙が零れる。ここまできたんだから最後までもってほしかった。ずっと我慢してきたのに。 片想いでいいと思っていた。 この溢れんばかりの感情を知ってもらえただけで満足だったのに。 やはりアリエルは性が悪い。 そんなものを見せられたらもっともっと望んでしまう。