アリエルはひらりと避け、とっとつま先から丁寧に床に降り立った。


私はアリエルを見ず、ただ胸を衝かれた思いでべリアルを見据えていた。


私の視線に気づいたべリアルが顔をしかめるが、すぐさま自分の姿を見下ろす。


首元から垂れている黒の羽のネックレス。


黒いのはべリアルの服が黒いからだろう。


きっとあれは私が大切にしまっている贈り物と重ねるとぴったり合うだろう。


「こっこの馬鹿が………!」


真っ赤な顔で睨まれたアリエルは「はっ」と嘲笑った。