「その娘は重大な過ちを犯した」 蔑むような仕草で、アリエルは言った。 「当初の目標である成島樹から別のものに愛を移してしまった。これは前代未聞の事件だ」 「だっ誰に………!」 言い終わる前にべリアルは雷に打たれたように体中をこわばらせた。 「そう、貴様にだよべリアル。こんなクズを好むこれまた馬鹿がいるとは思わなかった」 自分の口から言いたかったのに。 こんな状況だというのに笑いがこみあげてくる。