べリアルが額を抑えた。襲ってくる激痛に耐えているような汗を流している。
「我が母は知っていてその名をつけた。生んだくせして無価値。面白いだろう?」
ちっとも面白くない。
何でこの人は自分の弟をそんなに嘲笑うのだろうか。
「こいつのそばには昔から誰もいなかった。いるのは同レベルの阿呆天使ばかり。おきてに逆らうような黒装束。ふざけているとしか思われまい」
喉の奥で笑い、アリエルは勝ち誇った眼を片方隠した。
「全く母上もいい名をつけたものだ。真の落ちこぼれのこの馬鹿にピッタリ………」
「それがどうしたのよ」

