「そうですね。悪魔みたいな奴ですけど」 うふふっと台詞に笑いをつけると、おばさんが何かをいま思い出したような顔になった。 「そういえば、さっき天使みたいな人が通ったわよ」 「へい?」 まさかこのおばさん、妖怪とかそっち系を信じるタイプだったか? 私の同情をよそにおばさんは続ける。 「真っ白なコート着て、すっごく整った顔立ちしてて。あれはモデルさんかしらね~」