一つの恋から、また次の恋を生む。前よりもっと強い感情を生んでくれた。 『………ふー。なんか疲れたよ。ごめんね葉木さん。呼び止めて』 脱力しきった樹君は近くにあった椅子を引っ張ってきて座った。私がじっと突っ立っていると、ぎろりと睨みつけてきた。 『なに?慰めならいらないよ。とっとと帰ってくれ』 『………うん。じゃあね樹君』 出入り口の前で足を止め、微笑して振り返る。 『好きだったよ樹君』 そして、ありがとう。