「何がいいてえ?」 「………なんでもないですー。人のことアホアホいつも言ってるから、ちょっと難しいこと言いたくなっただけですー」 べっと赤い舌をべリアルにつきつけてやって笑った。 しかしべリアルは笑うどころか、眉間の皺をさらに濃くしている。 ニュースを伝えるテレビの声が妙にむなしく、お気楽な私にはこの場の空気は耐えられなかった。 そのまま何を言わず、リビングを飛び出して自室へ駆け込んだ。 「………変な奴だなったく」