「話といっても大したことじゃないんだけどね」 なるべく柔らかな態度で口を切る。 「大したことじゃねぇんだったら呼ぶな。意味不」 くっくそ………!すぐつけあがりやがって! だがここで怒りを言葉に混ぜ込んだら駄目だ。 警戒心をまず取り除くことからしないと。猫のように聡い彼に悟らぬように。 無言で立ち上がり、シュークリームとコーヒーをお盆で持ってくる。 「まぁまぁおやつの時間だと思ってさ」 「おっお前にしちゃ気が利いてんじゃねえか!」