その男性はビクッと体を飛び跳ねさせ、殺気を送った人物を探そうと眼玉をきょろきょろさせていたが「お待たせしましたー」との店員の声により、自分を恨む人物を突き止めることなく去って行った。
私は小さく舌打ちをし、大股で進む。
だがしかし、勝利は目前だ。前の人が買えば次は私。いただいたぜっ。
「すみません。4ついいですか?」
ぶはっとガッツポーズをとったまま固まる。誰かに指で押されたら石の破片となって、この店を大いに汚していただろう。
てってめぇぇ!4つだと?そこのメイクが濃いギャル女も「はいいいですよ~」なんて媚びた返答してんじゃねえ!
てめちょっと顔見せろ。あっ横顔だったけどいい男だった。なら許そう。

