「言われなくても分かってらあ」 切実な瞳に一瞬、樹の体がかたまった。 「てめぇらが、付き合おうが、死のうが俺の知ったこっちゃねえ」 まるで樹のことなど目に入らないように、彼の横を音もなく通り過ぎて行った。 「………どうせ、俺はいなくなる」 意味深なせりふを残し、その場は樹とべリアルとでしか堪えられぬような雰囲気に包まれた。 「………たわごとを」 はき捨て、樹もその場を後にした。