「っふざけないでよ!」 あっけにとられていた千秋が、正気に戻り怒りに赤くなった顔で迫ってきた。 「なんでコロコロコロコロ男変えるの!?純粋な恋ってもんを知らないのあんたは!」 敬語すら使う余裕はないようだ。 「そんなんだったら可哀そうじゃないの!」 樹君のことを言っているのかな? だったら千秋は、樹君を好きだったのか。と何となく合点がいった。 今よく思えば、千秋はよく校庭を横切る樹君を、よく見つめていた気がする。するだけかもしれない。