べリアルは迫りくる女子の大軍を上手く避けながら廊下を歩んでいた。 自分の喉元を抑えながら特に目的もなくうろつく。 「ったく、お世辞の言いすぎで喉が潰れたぜ………」 などど平気で悪態をつき、曲がり角を曲がった。 その奥には癒し系独特の整った輪郭、柔和な瞳、穏やかな笑みでたたずむ見あきた男子生徒が、べリアルを待ち望んでいたようにたたずんでいた。 「………優しい、ねえ」