「早めに戻ったほうがよさそうだな。戻るぞナギ………サ?おいっどうしたんだよ。熱でもあるのか?」


「んなもんないわっ!」


必要ないほど大声で否定し、顔を隠しながら飛び降りた。


普段から考えてあり得ない行動だと思っていたが、今の私は普通じゃなかった。


細くて大きな手のひらの温かさに酔わされていたのだろう。


慌てて教室へ戻ろうとドアノブを潰す勢いで回したが、何の変化もない。