「もうテレビは飽きたの?」
「いや最初はおもしれぇと思った番組が多かったんだが、今やってるやつは全然おもしろくねぇんだ」
べリアルの言葉を受け、机上にあるコンパクトデジタル時計に目をやる。9時半といえば良い子が正座してみるような教育番組かニュースなどしかしていないだろう。この悪魔が見るようなどす黒い番組はやっていない。
「んじゃあDVDでも見たら?」
私は必死にこいつの暇つぶしの題材になりそうなものを出してやった。このままいけばこいつは私の背後に突っ立っているだろう。
「おまえんちにあるDVDってお子様向けのもんじゃねぇか」
鼻で笑いながら彼はいう。

