あくまで天使です。



「えーでは!これから理科の授業を始めます!」


いつもハイトーンの声音が倍上がった理科教師の一言で授業が始まる。


このミーハーな教師は、見学者がいると数段声が跳ね上がるのだ。


その見学者にいい男がいたらさらに増す。べリアルはその基準を十分に満たしている。


ちらりと教室の後方を見てみると、掃除道具が詰め込まれているロッカーに背を預け、腕を組んで欠伸をかましている天使がいる。


女子の大半は教壇のほうを向かず、首をひねってべリアルを見つめている。


「でっでは~今日は総合Aをします」