だが、時たま乙女の面を見せる月緋が、お得意の地獄耳を発揮しないわけなく、怒りに満ちた瞳をピンク色に塗り替え、私を見つめてきた。


「え?ナギサ。ブラッハーさんに伝説の御姫様だっこしてもらったの?」


「そうなんすっよ~月緋のご友人!」


「ちょっと良くお聞かせ願いたいものね」


ぐるんっと月緋は矛先をべリアルへと変えた。


べリアルは蛇に睨まれたような怯えた色を出した。


「なっなんだよ………」


「ねえ、貴方ナギサのことどう思ってるの?許嫁で恋人ってことはもうあれよね?あれ以外の答えは求めていないから、注意してくださいな」