「離せ降ろせ解放しろー!」 「だったらおとなしく背負われとけ!」 重い荷物を投げ捨てるように、地面に落され、再び背を向けられる。 初めからこうしていればよかったんじゃね?と過去の自分を恨みに恨んだ。 ひそひそ声と大量のまなざしに耐えるべく、顔をなるべくこいつの背に押し付けた。 あっ鼻水つけたろか。 と、現状から逃れるためどうでもいいことを頭のど真ん中に飾った。 背後から殺気のようなものが送られていたのにも気づかなかった。