あくまで天使です。



力なく笑うと、樹君の心配顔はより一層深くなってしまった。


「保健室行ったほうがいいんじゃない?」


ちらりと審判のほうを見てみると、うむうむと樹君に同意していた。辺りに視線をめぐらすと、残念そうだったが、クラスメイト達も顎を引いていた。


この雰囲気で「いかねえ!」とか言っても空気読まないことになりそうだし、その提案を私は受け入れた。


「じゃあ………」


樹君が何か言おうと言葉をつづけたが


「おいナギサ、どした?」


べリアルの声にかぶって、口を閉ざしてしまった。