だがまだ憂いを含んだ表情は消えない。 「立てる?」 すっと何気なく差し出された手に、ドキドキしながら遠慮なくその手を貸してもらう。 うわっ手汗べっちょべっちょじゃないかな? 気がかりをしながら力のこもった手に、手伝ってもらいながら立ち上がってみる。 だがすぐに、さざ波のごとく襲ってきた痛みに耐えられなくなる。 「もしかして捻った?」 「そっそうみたいだね………」