だが、その後は知らんぷりされた。 上半身ばかりに気がいってしまい、足元が疎かになっていたのは認めよう。 それに突然の襲撃が重なって、不安定な基盤の上にあった足はついに崩れる。 片足が曲がってはいけない方向に曲がった、と感じ取った瞬間、自分の意志関係なく尻もちをついてしまっていた。 ずしんと鈍く重い感覚が臀部にくる。 それより右足の鋭い痛みが体中に響いた。 あっという小さな悲鳴がどこからか聞こえた。