最後が見え始めたころ、相手は3人、こちらは2人という、やや劣勢の状態にあった。 その2人の中に、私と樹君が残ったというのはもう奇跡に近い。 いやいややっぱり彼と私はしめ縄並みの太さの赤い糸で結ばれてるのかしらん。 阿呆な妄想にどっぷり浸かりつつ、前方からやってきた剛速球を身体をそらしてよける。 この野郎!お前先輩に対する敬意とかないのかよ!名前なんだコンニャロー! 投げてきた年下男子を睨みつけ、体制を素早く整える。 これでも運動神経は悪くないつもりだ。女王様の訓練のたまものかな。