ソウが何かを言おうと薄い唇を開いたのと、校門のほうから一段と甲高い歓声が上がったのとまったく同じタイミングだった。 私に限らず、不良3兄弟と教師陣が一斉にそちらへ顔を向ける。 女子の波をかきわけて一直線に向かってくる、サングラスをかけていても美形だと分かる真っ黒なそいつは………言わなくてもわかるでしょ? 「よう。何騒いでんだ?」 キザッたらしくサングラスを外し、中のガラス玉のような黒目をのぞかせた。 その目玉に一生懸命睨みつけてやる。どこまで目立ったら気が済むんだこいつ!