あくまで天使です。



「ナギサ。あの子は右足怪我してるからそこを重点的に狙いなさい」


「いやそんな非道なことに誘わないでください!」


熱気がこもる体育館の端のほうで、体育座りして並んで、今バトル中の4組を観戦していた。


緑色のテープで仕切った2コートに、数十人の男女が混ざり合いボールを受けたり、投げつけたり、よけたりしている。


ほぼ笑顔で楽しそうにしているが、中にはよけるのに必死な子もいる。


「暇ねえ。私たちの出番はいつ?」


つまらなそうに月緋が欠伸をしたので、私は今日の日程表をポケットから取り出した。