あくまで天使です。



「ってうわあ!」


二度目に囁かれた自分の名字に肝をつぶされ、ぴょんっと静電気が流されたように飛び退く。


見上げてみるとそこには大きな眼を更に丸くし、きょとんとしている樹君がいた。


「あっごっごめん樹君!」


「こっちこそごめんね葉木さん。集中しているときに話しかけて」


いえ、自分の中のなにかとバトルしてました。


「で、何してるの?居残り勉強?」