「ソウー!姉貴ー!」


二人っきりだった公園に余裕を失った大声が響いた。


入口のほうを見ると、足をもつれさせながらこちらへ向かってくるガクと、そのあとを息をも絶え絶えに追うマナブの姿があった。


「だっ大丈夫だったですか姉貴!」


「俺達も上手にまけたみたいっす」


ソウ!とガクは必死の形相でベンチに呆けている彼をすかし見た。