『決まってんだろ!おまえと同じがいいからだ!』 「その何げない言葉が妙にうれしくて、照れ隠しに殴った記憶があります」 名を捨ててまで自分と同じ境地に立とうとしてくれている友人が自分にはいる。 「そのことがなければもっと荒れていたでしょう」 それからはずっと二人一緒だった。 「中学でマナブと出会いました」 あいつは俺達とは違う恵まれた人間だって、敬遠していた。だがマナブはそんな俺に苛立つことなく傍にいてくれていたんだ。