照れ隠しに叩きつけると、ソウは虚を突かれたような顔をした。 「どうしたの?」 「いえ………兄貴の名前、俺知らなかったから………」 「え?なんで知らないの?」 「日本人じゃないことは薄々わかってましたが………」 あの端正な顔立ちは確かに日本人には見えないだろう。 「名前を教えてもらってなかったですね」 白い頬に手を添え、彼はまつ毛を伏せた。