こんな不細工が俺の女なわけねーだろ!と額に青筋を浮かばせている。 こっちが怒鳴りたいわ! 「………まっ。嘘だってばれて離れて行くんだったらそこまでってことだ」 怒りに震える私は、驚いて顔を上げた。 窓際のほうに目をやり、寂しげな色を含ませた眼光で何を見ているのだろう。 こんな顔、見たことない。凝然と私はべリアルを見つめる。見てはいけないものを見てしまったような感覚に襲われるが憂いを帯びた艶やかな横顔から目が離せない。