風を切る速さに振り回されつつ、パニックになった。


やがて最初とは逆の流れで急停止し、放り出されるようにバイクから降りた。


なんだか久しぶりに地面とあったような気がする。


ふらつく足をふんばらせながらヘルメットを外す。すると何も言わずソウがヘルメットを受け取り、冷たい視線で私を見下ろした。


「大丈夫ですか姉貴。まっ兄貴の女ならこのくらいのスピードなら余裕だと思いますけど」


だから違うってもう!


しかもなんだその挑戦的な態度!